郷里へ。
矢筈岳(やはずだけ)という九州百名山です。
凛々しく美しいとんがり山です。
初めて名前を知ったのは、小学校入学時に教えられた校歌でした。
矢筈というのは、弓の弦を掛ける部位です。
これも学校で教えてもらいました。
日本中のあちこちにこの名前はあります。
高さは687メートルの低い山です。
ちょっと登るには手ごろな山です。
勿論学校の行事で登った事が有ったような無かったような。
最後に登ったのは30歳位の時だろうか。
たぶん7月頃だったと思う。
登山道は荒れ果てて倒木が何本も行く手を阻んだ。
最後の僅か百メートルの急な坂を登ると、
膝上の丈の揺れる草原の空に、大量の赤トンボが舞っていた。

下りは沢に身体を浮かべ、流れて降りた。
山の一面に黄色い花が咲いていた。
春にはムベの実を食べ、ケシンの根をかじり、ミカンの汁を吸った。
藪に潜み、光輝く黄緑の蜘蛛と遊んだ。
大晦日には零時に山頂に登り、極寒の朝を迎えた。
誰も居ない静かな元旦の街を家に向かった。
いつもいつも振り返ると、矢筈岳がありました。

この村に誰も訪ねる人が居なくなっても
多分、僕はこの山に会いに来ると思う。
こいつだけは、いつもここにいる。
凛々しく美しいとんがり山です。
初めて名前を知ったのは、小学校入学時に教えられた校歌でした。
矢筈というのは、弓の弦を掛ける部位です。
これも学校で教えてもらいました。
日本中のあちこちにこの名前はあります。
高さは687メートルの低い山です。
ちょっと登るには手ごろな山です。
勿論学校の行事で登った事が有ったような無かったような。
最後に登ったのは30歳位の時だろうか。
たぶん7月頃だったと思う。
登山道は荒れ果てて倒木が何本も行く手を阻んだ。
最後の僅か百メートルの急な坂を登ると、
膝上の丈の揺れる草原の空に、大量の赤トンボが舞っていた。

下りは沢に身体を浮かべ、流れて降りた。
山の一面に黄色い花が咲いていた。
春にはムベの実を食べ、ケシンの根をかじり、ミカンの汁を吸った。
藪に潜み、光輝く黄緑の蜘蛛と遊んだ。
大晦日には零時に山頂に登り、極寒の朝を迎えた。
誰も居ない静かな元旦の街を家に向かった。
いつもいつも振り返ると、矢筈岳がありました。

この村に誰も訪ねる人が居なくなっても
多分、僕はこの山に会いに来ると思う。
こいつだけは、いつもここにいる。
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