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みんな元気です。

このネクタイ変だろ?

変じゃないわよ、お祝い事なんだからそれで良いわよ。

という会話があって、青のネクタイを拒否されて、

黒っぽい生地に白い小さな水玉のネクタイを締めました。

ネクタイ締めるのなんて、ヨシ君の結婚式以来です。

今日は市役所の方達が母の元にやって来ます。

一応、礼儀正しくします。


母の部屋に入ると、あらぁ来たんねと嬉しそうです。

「ハハがいったんね?」

いったって何処に?

「空の上に。」とカーテンを開けた窓の外に目をやりました。

いったって、死んだって事?

「うん」とうなづきます。

ハハってあなたじゃん。

「違う、あたしのハハ」

「あなたのハハって誰?」

「東郷○○」

へぇ、お袋のお母さん、つまり僕のばあちゃんの名前、初めて知った。

もうとっくの大昔に死んだよ。僕の生まれる前だよ。

「そうね、そうだろね、仕方無いね」とうなだれました。

なんで、今頃?

僕を弟と思っています。

でなきゃ、僕に母が逝ったんねなんて言う筈がありません。

お袋と叔父さんの共通の母親、つまりおばあちゃんの事だ。

それに、自分の母親に向かってハハと呼ぶ人なんていないから

自分が母親の事を何て呼んでたのか、忘れたんだ。


施設のスタッフのメンツが替わってます。

「死んだんね?」

死んだんじゃ無くて、他所の施設に移ったんだよ。

ここは大きなグループ会社だから移動があるんだよ。

「そぎゃんね。」


KA0RIから貰ったフルーツぜりーを開けてると

ベッドから車椅子に乗せてテーブルの前に座らせた母が

うつむいて、ブツブツ呟いています。

「△さんが・・・」

えっ?

△さんとは、僕の奥さんです。

「△さんが・・・」

段々声が大きくなってきました。

うつむいた母の顔を覗き込みました。

顔がクシャクシャになって、目に涙をいっぱい浮かべてます。

「△さんがぁ、△さんがぁぁぁ」

遂に酷い顔になって泣き出しました。

母の泣き顔なんて、初めて見ました。

驚いて僕の心臓もヤバそうです。


一瞬、全てが理解出来ました。

大きな声でお袋に叫びました。

違う違う、これは違うんだ。

これは普通のネクタイなんだ、葬式のじゃ無いよ。

誰も死んでないよ。元気だよ、元気で働いてるよぉ


目にキラキラした水滴をまつ毛に乗っけて

「死んどらんとや?」



だから言ったんだ。

青色のネクタイが良かったんだ。


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Author:ボエム
灰色の鶴の舞立つ漁村生まれ。
終の棲家探しへ。

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