超写実展にて。
「こんにちわ!」
大きな声で突然、隣で絵を見ていた人から声を掛けられました。
40歳前後の男性ですが、見覚えがありません。
誰だっけと一生懸命考えてると
「突然声を掛けてスイマセン。」とニコニコしながら謝り、
「お昼のニュースであなたを見てやって来ました。」

ー Maria Jose Cortes ジェネレーション@ ー
はいっ?
えーと、と、頭をフル回転させます。
やっと分りました。
もうテレビに映ってるんですか?
「今、見て来ました。」

ーAurelio Rodriguez 記憶をたどる ー
「熊本県の○○市から来てるんですか。
昔、知り合いがいたんですよ・・」
と、語り出しました。
えーっ・・そんな事まで知ってるの?
どこまで放送したんだ?

ー Adonai Oliver Navarro 画家ペペ ー
何も聞いていなかったから、明日以降に放送されると思ってたんだけど
昼のニュースでもう放送されちゃったみたいです。

ー Carlos Marijuan シロ ー
佐賀のイベント情報をネットで見てたら驚きました。
しかももうすぐ終了します。

急いで行かなきゃ。
またあの絵が見られると、ウキウキしながら高速に乗りました。

受付の近くに背広組が数人立っていました。
気にせず、入場料を払い、トイレを探してると
40代くらいの背広が近づいてきました。
私、○○テレビの○○と言いますと、自己紹介をして、
「お話を聞きたいのですが、宜しいでしょうか?」と近づいてきました。
何かのアンケートでしょうか?
傍にいた会社の人達を紹介して、あそこに内の局長もおりますと
一番エラそうなオジサンを指差し、お互いに一応挨拶しました。
何だ、こいつら?
「入場3万人目ということで、一言だけ取材させてもらって、
テレビカメラの前でなんですが、宜しいでしょうか?」
僕が3万人目という事ですか?
「はい、そうです。」

早く先に言えい。
普通は、おめでとうございますと皆で大声で叫びながら
くす玉を引っ張って、花びらを飛ばすんじゃないの?
何でそんなに、しっとりと話しかけてくるんじゃい。

お偉いさんから、おめでとうございますと記念品を渡されました。
何がおめでたいの?
今日の展覧会の本を2冊頂きました。
あっ、おめでたい。

後から考えたら、3万人目が僕で、この人達はラッキーでした。
3万人目の僕が、熊本からわざわざこれを見るためだけに
高速で2時間掛けてやって来て、しかも前に一回来て
ここでしかこの超写実展やってないから、佐賀県に感謝してる事とか
入場する前なのに、べらべらと、いかにこの絵画が他の絵画と比べて
素晴らしいのか、千葉のホキ美術館にも行ってみようと思ってるとか
主催者が泣いて喜びそうな話を続けたのだ。

取材が終わってからも、再びキレイな女性アナが走って来て
僕の氏名漢字を書かされて、年齢まで聞かれた。
そこまで教える事もないかなと思いつつ教えてしまった。
まさかテレビでテロップが流れるなんて思ってもいなかった。

ーCarmen Mansilla リリスの伝説ー
それから絵画を鑑賞している図を撮れというのが
聞こえてきた。

ゆっくり鑑賞させてくれ。

大きな絵です。
毛穴もシミも、ホクロもシワも産毛も脂汗さえ見えます。
瞳の奥を覗き込んで見ました。
何も写っていませんでした。

ー Jaime Valero ポートレートNO,5 ー
カンバスやパネルを舐めるくらいの距離で
技法を見つめます。

ー Alejandro Carpintero 2区のプリンセス ー
恐れ多くも、描こうとしてるんです。

ー Jacobo Alcalde Gibert 都市からの亡命 ー
無理です。
次元が違います。
肌のブツブツは筆跡が見えるけど、無理です。

ー Ivan Franco Fraga サルマキスNo,3 ー
この髪の毛、どうやって描いてんだ?
このシワは?
この髭は?皮膚は? 分らん。

ー David Naylor 私に話しているのかい!!?? ー
無理です。
無理です。

ー 五味文彦 パンと檸檬 ー
こんなに瑞々しい檸檬なんて、描けない。
丸一年掛けたら描けるかも。
ありえないか。

他の人達はどんな感じで鑑賞してるんでしょうか。

ー 藤原秀一 ひまわり畑 ー
真似して描こうって思って鑑賞してるのって、僕だけでしょうか。

今回は地球でたったふたつだけ、写実絵画に特化した、
千葉のホキ美術館と、スペインのヨーロッパ近代美術館のコラボです。

ー 島村信之 籐寝椅子 ー
日本だけじゃ無く、地球の裏側にも
リアリズム絵画を愛する国があったなんて嬉しいです。

ー 森本草介 果物たちの宴 ー
先に日本人画家さん達の作品がスペインで展示され、
好評を博しその後今回、スペインの選りすぐりの画家さん達の
59点もの作品を日本で見る事が出来ます。

ー 島村信之 響き ー
自宅から、僅か2時間の場所で鑑賞出来るなんてラッキーです。

ー 原 雅幸 クリストファーロビンの聲 ー
何も考えずに、唯ひたすら鑑賞することにします。

ー 松田一聡 無題 ー
でも、パネルに顔をくっつけて細かい部分のあら探しをしています。
でも、パーフェクトに描き込んでいます。
ひたすら感動しています。
野田弘志さんは昨年、元天皇皇后両陛下の肖像画を描かれた画家さんです。

ー 野田弘志 聖なるものTHE-Ⅳ ー
見応えがありすぎます。
前回もそうでしたが、この写実展は疲れます。

ー 島村信之 幻想ロブスター ー
二時間掛かって出口に近づいたので、もういちど入口に戻りました。
もう一回見直そうと思ったわけです。
そこで、声を掛けられたんです。
彼もまだ僕がここにいるなんて、思ってなかったんでしょうね。

ー 鶴 友那 ながれとどまりうずまききえる ー
何を使って描いたのかさえ分りません。
パンフに書いてありました。
”写真だったら、こんなに見つめる事があるでしょうか。”

ー 三重野 慶 信じてる ー
今回頂いた、展示会の書籍がこれです。

この後せっかくここまでやって来たので、博物館に行き
鍋島藩の立派な殿様を見学しました。
10年ぐらい掛けて、30号くらいの絵を一枚描こうかなと
ぼんやりと考えながら、又2時間掛けて熊本に帰ります。
大きな声で突然、隣で絵を見ていた人から声を掛けられました。
40歳前後の男性ですが、見覚えがありません。
誰だっけと一生懸命考えてると
「突然声を掛けてスイマセン。」とニコニコしながら謝り、
「お昼のニュースであなたを見てやって来ました。」

ー Maria Jose Cortes ジェネレーション@ ー
はいっ?
えーと、と、頭をフル回転させます。
やっと分りました。
もうテレビに映ってるんですか?
「今、見て来ました。」

ーAurelio Rodriguez 記憶をたどる ー
「熊本県の○○市から来てるんですか。
昔、知り合いがいたんですよ・・」
と、語り出しました。
えーっ・・そんな事まで知ってるの?
どこまで放送したんだ?

ー Adonai Oliver Navarro 画家ペペ ー
何も聞いていなかったから、明日以降に放送されると思ってたんだけど
昼のニュースでもう放送されちゃったみたいです。

ー Carlos Marijuan シロ ー
佐賀のイベント情報をネットで見てたら驚きました。
しかももうすぐ終了します。

急いで行かなきゃ。
またあの絵が見られると、ウキウキしながら高速に乗りました。

受付の近くに背広組が数人立っていました。
気にせず、入場料を払い、トイレを探してると
40代くらいの背広が近づいてきました。
私、○○テレビの○○と言いますと、自己紹介をして、
「お話を聞きたいのですが、宜しいでしょうか?」と近づいてきました。
何かのアンケートでしょうか?
傍にいた会社の人達を紹介して、あそこに内の局長もおりますと
一番エラそうなオジサンを指差し、お互いに一応挨拶しました。
何だ、こいつら?
「入場3万人目ということで、一言だけ取材させてもらって、
テレビカメラの前でなんですが、宜しいでしょうか?」
僕が3万人目という事ですか?
「はい、そうです。」

早く先に言えい。
普通は、おめでとうございますと皆で大声で叫びながら
くす玉を引っ張って、花びらを飛ばすんじゃないの?
何でそんなに、しっとりと話しかけてくるんじゃい。

お偉いさんから、おめでとうございますと記念品を渡されました。
何がおめでたいの?
今日の展覧会の本を2冊頂きました。
あっ、おめでたい。

後から考えたら、3万人目が僕で、この人達はラッキーでした。
3万人目の僕が、熊本からわざわざこれを見るためだけに
高速で2時間掛けてやって来て、しかも前に一回来て
ここでしかこの超写実展やってないから、佐賀県に感謝してる事とか
入場する前なのに、べらべらと、いかにこの絵画が他の絵画と比べて
素晴らしいのか、千葉のホキ美術館にも行ってみようと思ってるとか
主催者が泣いて喜びそうな話を続けたのだ。

取材が終わってからも、再びキレイな女性アナが走って来て
僕の氏名漢字を書かされて、年齢まで聞かれた。
そこまで教える事もないかなと思いつつ教えてしまった。
まさかテレビでテロップが流れるなんて思ってもいなかった。

ーCarmen Mansilla リリスの伝説ー
それから絵画を鑑賞している図を撮れというのが
聞こえてきた。

ゆっくり鑑賞させてくれ。

大きな絵です。
毛穴もシミも、ホクロもシワも産毛も脂汗さえ見えます。
瞳の奥を覗き込んで見ました。
何も写っていませんでした。

ー Jaime Valero ポートレートNO,5 ー
カンバスやパネルを舐めるくらいの距離で
技法を見つめます。

ー Alejandro Carpintero 2区のプリンセス ー
恐れ多くも、描こうとしてるんです。

ー Jacobo Alcalde Gibert 都市からの亡命 ー
無理です。
次元が違います。
肌のブツブツは筆跡が見えるけど、無理です。

ー Ivan Franco Fraga サルマキスNo,3 ー
この髪の毛、どうやって描いてんだ?
このシワは?
この髭は?皮膚は? 分らん。

ー David Naylor 私に話しているのかい!!?? ー
無理です。
無理です。

ー 五味文彦 パンと檸檬 ー
こんなに瑞々しい檸檬なんて、描けない。
丸一年掛けたら描けるかも。
ありえないか。

他の人達はどんな感じで鑑賞してるんでしょうか。

ー 藤原秀一 ひまわり畑 ー
真似して描こうって思って鑑賞してるのって、僕だけでしょうか。

今回は地球でたったふたつだけ、写実絵画に特化した、
千葉のホキ美術館と、スペインのヨーロッパ近代美術館のコラボです。

ー 島村信之 籐寝椅子 ー
日本だけじゃ無く、地球の裏側にも
リアリズム絵画を愛する国があったなんて嬉しいです。

ー 森本草介 果物たちの宴 ー
先に日本人画家さん達の作品がスペインで展示され、
好評を博しその後今回、スペインの選りすぐりの画家さん達の
59点もの作品を日本で見る事が出来ます。

ー 島村信之 響き ー
自宅から、僅か2時間の場所で鑑賞出来るなんてラッキーです。

ー 原 雅幸 クリストファーロビンの聲 ー
何も考えずに、唯ひたすら鑑賞することにします。

ー 松田一聡 無題 ー
でも、パネルに顔をくっつけて細かい部分のあら探しをしています。
でも、パーフェクトに描き込んでいます。
ひたすら感動しています。
野田弘志さんは昨年、元天皇皇后両陛下の肖像画を描かれた画家さんです。

ー 野田弘志 聖なるものTHE-Ⅳ ー
見応えがありすぎます。
前回もそうでしたが、この写実展は疲れます。

ー 島村信之 幻想ロブスター ー
二時間掛かって出口に近づいたので、もういちど入口に戻りました。
もう一回見直そうと思ったわけです。
そこで、声を掛けられたんです。
彼もまだ僕がここにいるなんて、思ってなかったんでしょうね。

ー 鶴 友那 ながれとどまりうずまききえる ー
何を使って描いたのかさえ分りません。
パンフに書いてありました。
”写真だったら、こんなに見つめる事があるでしょうか。”

ー 三重野 慶 信じてる ー
今回頂いた、展示会の書籍がこれです。

この後せっかくここまでやって来たので、博物館に行き
鍋島藩の立派な殿様を見学しました。
10年ぐらい掛けて、30号くらいの絵を一枚描こうかなと
ぼんやりと考えながら、又2時間掛けて熊本に帰ります。
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