「お」の話

突然ですが急に書きたいことが出てきました。
大したことじゃないんですが。
6年生の頃、英語塾に行ってました。
ディスイズ ア ペンを最初に習ったと思うんですが、これは一本のペンですって、
なんて丁寧な説明をする国だろうと思った記憶があります。
一本と言わなくても、見たらわかるじゃんて。
だから今でも、つい忘れてしまいます。

フランス語には男性名詞「ル」と女性名詞「ラ」というメンドクサイものがあります。
名詞を男と女に分別する必要があるのかと思うのですが。
姉妹都市という言葉がありますが、街は女性名詞ですから姉妹都市なんだそうです。
でも何故、街が女性名詞なのか、色々考えると楽しいです。
ちなみに中国では姉妹の場合はどちらが上位という事もあって、
友好都市という名前を使うという事を聞きました。

でも日本語だってはるかにメンドクサくて、解りづらいものがあります。
数十年、日本人やってきて未だに解りません。
丁寧語、尊敬語、謙譲語というやつです。
もちろん、これがあるから日本語は美しいのですが。
丁寧語といっても、やたら「お」とか「ご」を付ければ良いってもんじゃないし。
丁寧語の「お」について、素朴に疑問を感じるのが、
空、山、池、花には「お」が付くのに、なんで、海,川、湖、木には「お」が付かないの?
みかんに付くのに、梨やブドウや柿やリンゴには付かないの?
お酒と言うのに、なんで、お焼酎と言わないの?
お風邪ですかって聞くのに、なんで、お水虫ですかとか、お痔ですかと聞かないの?
お台所やお風呂場とかおトイレとか言うのに、応接室や寝室は無視ですか?
お味噌汁やお漬物と言うのに、肝心の、ごはんは?
これは、既に「御」が付いてたか。
お星さまや、お月様、お日様には、「お」だけじゃなく「様」まで付いてます。
薩摩芋やじゃが芋は無理やり「お」を付けて、長すぎると感じたのか、
短くして、おさつや、おじゃがと呼んでます。
ニンジンや大根や、トマトをどうしてくれるの?
お医者さん、お魚屋さん、お菓子屋さん、お米屋さん、お寿司屋さんがあって、
八百屋さん、靴屋さん、教師、警察官、弁護士さんに「お」が付きません。なんで?

ぼんやりした頭で一つづつ片付けていくと、
御山と御池については、神格化、つまり神の域にあるものとして敬意をはらっていて、
みかんに「お」を付けたのは、たぶん、どこかのおばさんが丁寧に言いたかっただけで、
酒に「お」を付けたのもやはり丁寧に言いたいだけで、
焼酎は長すぎてまぬけな感じがするし、
お風邪を召しましたかは、相手に対する敬意ですが、季節の流行り病で
皆が罹る軽い病気であり、口に出しても失礼に当たらない事と判断できる事。
応接間は「お」から始まる名詞であり、寝室については日本家屋ではふとん文化のため、
昔は寝室が存在しなかった為ではないでしょうか。
お星さまなどは天体や自然のなかでも、お伽噺の昔から愛着のあるもので、
親しみを込めた呼び方なんでしょうね。
職業に「お」と「さん」を付けるのは、江戸から明治までに存在した職業に限られたそうです。
靴屋さんは存在していなかったんでしょうね。
八百屋さんに「お」を付けると、おやおやさんになって、
さすがに、これはやめようよという事になったんじゃないでしょうか。
薩摩芋やジャガイモは、お米に替わる貴重な穀物でしたから、
敬意をはらって「お」を付けたんじゃないでしょうか。
ひとりボケ、ツッコミをやってしまいました。

一応、調べてみましたが、
やはり、現在は丁寧語として頻繁に使用し、乱れているとの事でした。
例えば有名人がテレビで10年間、おヘチマと呼んでいたら自然にその呼び方になるんです。
言葉は生き物です。割と簡単に変わっちゃうみたいです。
結論としては、日本語を勉強されている外国人は丁寧語のルールなんか気にしないで
いっぱい喋って数をこなす事なんでしょうね。
本来、「お」は付けなくても良いし、その方がクールに思えてきました。
日本語って難しいけど楽しいですね。

尚、今回も個人的な見解ですから、参考にされないようにお願いします。
スポンサーサイト