fc2ブログ

釣り回想録 四方山話

突然、後ろから釣れてますかと声をかけられ、びっくりして振り返ると、
すぐ後ろ、5メートル程の近さに海上保安庁の船がいた!

舳先からにっこり笑い、免許証出して、と続けました。
ぽかんとしている僕に、あっ、エンジン付いてないかと呟くと、後ろに合図して
バックギアで去って行きました。
音もなく静かに近づき、まったく気づかなかった船に感動してしまった。


通常の行方不明は7年で死亡認定となるけど、海の行方不明は事故から1年です。
それから、保険金の支払いや、相続が開始するけど、
北朝鮮拉致の疑いがある場合の死亡認定は何年なんだろう。


ライフジャケットのオレンジ色の発色は生存確認の為じゃなく、
海の底に沈んでるのが発見しやすいんだと師匠から言われました。
発見されなきゃ保険金がすぐに降りないだろ。
そのダサい色のライフジャケットは奥さんの為に着るんだよ。


天草の牛深に元銀行員が、好きで始めた釣り具屋さんがあります。
ここに瀬渡し船のお願いをすると、とんでもない船頭が待ってます。
福岡辺りから天草という甘い名前にあこがれて高速道路を深夜飛ばしてきた
釣り客に冷水を浴びせます。

潮を見て来い、素人め、なんで今日来るんだの罵倒から始まります。
どの磯に乗りたいと言っても返事しません。
磯に飛び移るのを躊躇していると罵声を浴びせます。
舟に飛び移るときも同じです。
この釣り具屋さんを利用する釣り師は全員怒鳴られています。
どうも釣り師が嫌いなようです。
料金は釣り師達からじゃなく、釣り具屋さんから貰って磯に渡してあげてるらしいです。
今でも元気にお客様を怒鳴っているんでしょうか。
なぜか懐かしいです。

船からの真鯛釣りで、オモリに釣針を付けた仕掛けは、根がかりしやすいです。
根がかりしても、ハリスが太い為に、糸を切りにくいです。
あまり初心者を連れて行きたくない釣りのトップワンです。
根がかりしたときの船頭さんの素朴なイラつきが気になります。
もちろん船頭さん次第です。
釣針がもったいないと言った船頭さんに知人が切れたそうです。
釣針くらいなんだと怒鳴り、二度と仕掛けを海に降ろさず、港に帰れと怒鳴ったそうです。
やはり、釣り師は短気なんでしょうか。


船で釣り場に向かう途中、海の底から白い雲のように巨大な何かが湧きあがって来ました。
小さなミルクガニの大量発生でした。
こんなエサだらけの海だと、僕らのエサには見向きもしません。
今日はあきらめるしかないです。


イルカが船について泳いで来ます。
あっち行けと、みんなで船に転がっているジュース缶なんかを投げつけます。
あいつがいると今日は釣れないなと船頭が叫びます。
今日もあきらめるしかないです。

知人が話してくれました。
アメリカから学生時代の友達が遊びに来ました。
熊本の美しい青い海と可愛いイルカを見せようと、天草のイルカウォッチングの船に乗せました。
イルカを観光船が追っかけて行きます。
アメリカの友人は激怒したそうです。

なんて野蛮で無知な人達なの、
なんて、可哀そうな事するの。
うーん・・・そういえばそうだね。


海面から1メートルくらい上を、50センチ位の翼をもったやつが飛んでいます。
旋回しながら100メートル位飛び、海中に突っ込みました。
島影も見えない沖合の海です。
あれはトビウオじゃなく、鳥だよね。
僕たち3人は、鳥が上がってくるのをずっと、待っていました。

自信を持って言えます。
千年後にはトビウオはツバサを動かし、自由に空を高く飛んでいます。


M氏と僕はその日の釣果に満足していませんでした。
本命のチヌがあがらなかったからです。
初めて同行したW氏が、後日、別の方に話されていました。

あの二人おかしいよ。
大きな真鯛が釣れても全然喜ばないんだ。
真鯛の方がチヌより美味しいのに。

それは違いますよ。
真鯛は釣れたんです。
釣ったんじゃないんです。

小さい針で、細いハリスで、0号の柔らかい竿で狙います。
チヌにも逃げるチャンスを与える為です。


崎津の羊角湾はダゴチン釣りのメッカです。
ダゴチン釣りとはエサの付いた針を、赤土や集魚剤で包んで海底に落とし、
チヌに割らせて、飛び出したエサを喰わせる釣法です。
オキアミやサナギの匂いにアジやボラが寄ってきます。
チヌをあきらめて、サビキでアジを釣りたい欲望にかられます。

しかし、メンバーの中で約束事があります。
チヌ釣りの時に絶対サビキを出すな。
俺たちは誇り高きチヌ師だ。

それは3人の時だけです。
二人の時は、土産だ土産だの掛け声でサビキ祭、アジ祭を楽しみます。

ちなみに、チヌは生まれた時はみんなオスです。
グループの大きさに応じて、数匹がメスに変化します。

昨日までの男友達が、突然、女友達になります。
大変です。






スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ボエム

Author:ボエム
灰色の鶴の舞立つ漁村生まれ。
終の棲家探しへ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
FC2カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR