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Kさんの事。

Kさんは突然現れ、微笑みながら僕の前に立ちました。


ナイフフェア会場のメーカーさんと談笑していた僕は、
あまりの驚きで、立ちすくんでしまい、彼をじっと見つめました。


20数年前に、僕の病室を初めて訪れた時と、全く同じ笑顔でした。

入院用のパジャマを着て、左手に点滴を引きずりながらやって来ました。




最初の言葉が

貴方の奥さんは、僕の命の恩人なんです。

でした。


27111301A.jpg



彼は営業先で働いていた僕の奥さんから、しつこく病院に行けと言われ、
それなら仕方ないかと上司も休みの許可を承諾し、
病院に行ってみたら、大腸がんだったのです。


それから僕の病室に遊びに来るようになりました。

彼の病室に遊びに行くと、まだ若い奥さんと2歳くらいの女の子がいました。

邪魔をしないで引き返しました。


27111302A.jpg



二人で点滴を引きずって屋上に上がりました。

熊本市の繁華街が見えました。
車も人も活気に溢れています。

僕ら死んでも、この景色も世間も何も変わらないんだよね。
僕が死んだら地球も終わる訳じゃないんだよね。
死ぬのって淋しいね。

そんな話をしていた記憶があります。

あれから24年経ちました。

彼は娘さんの関係でここにやって来たみたいです。
じゃ又ねと元気に別れました。



27111303A.jpg



あれから、随分僕の生き方が変りました。







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Author:ボエム
灰色の鶴の舞立つ漁村生まれ。
終の棲家探しへ。

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